1.新しく会長を仰せつかりました畑中龍太郎でございます。就任に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
皆様は、何故、数ある学校の中で、田園調布雙葉学園をお選びになられたのでしょうか。幼稚園から高校まで14年の長きに亘る、女子だけの、カトリック教育校というユニークではありますが、決定的な影響を与えるかもしれない環境に、何故、ご自分のお子様を託そうとされたのでしょうか。その思いはそれぞれでしょうが、皆様のその期待や願いや不安に応えるのが、学園と後援会の根源的な使命の一つだと考えております。
2.そして、とにもかくにも、「縁」があって雙葉にお入りになった。生まれた時から田園調布に行くことが決まっていたなどというお子様はふつうおられないでしょうから、フトしたキッカケで雙葉に入られた。しかし、それが決定的なキッカケになるかもしれません。
明治5年、万里の波濤を越えてヨーロッパからやってきた5名のシスター達を待ち受けていたのは、学校や修道院の建設ではなく、連日、玄関先に置き去りにされた捨て子やみなし児でした。懸命に世話をし、食物を与え、教育を施し、嫁入り先まで心配した彼女達。周囲の名もない人達にも助けられ、やがて信頼を勝ち得ていきました(「仁慈堂」)。これが、雙葉の第一頁であり「校訓(徳においては純真に義務においては堅実に)」の精神を体現したものと言えるでしょうが、この「捨て子」や「みなし児」が、実は、雙葉がこの国に根付く深い「縁」であったような気がいたします。
現代の子供たちも、「縁」あって、ここで生涯の友に巡り合えるかもしれません。日々の祈りや他者に感謝する心が育まれるかもしれません。健康で勉学に秀で芸術にも才能を開花させるかもしれません。
3.しかし、そのような「縁」が続き、本当の「縁」になるには、「校訓」の精神である、神様やマリア様や他者への「おもいやりや感謝」と弛まぬ「努力」が必要なことは言うまでもありません。
4.ただそうは言っても、年端もいかぬ子供たちからすれば、学園や塾に預けられ放しでは困ってしまいます。「子供は、親がかけた愛情に比例して豊かになる」と申します。どうぞ、皆様方、かけがえのない手塩にかけたお子様方とご一緒に歩んで行ってください。また、お子様方の成育に全身全霊を傾けているこの学園とご一緒に歩んで行ってください。そして、お子様方や学園をしっかり支えなければならない後援会とご一緒に共に歩んでください。
行動する後援会としては、日常の教育方針や今後の新しい教育分野や海外留学などの課題について、御父兄や学園に対して、申し上げるべきことはしっかりお伝えするとともに、100周年に向けた校舎整備やIT教育等のための施設整備など、実現する価値と必要性がある課題については、果敢に取り組んで参りたいと考えております。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
田園調布雙葉学園
後援会会長 畑中 龍太郎